絵画療法ビデオシリーズ
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心理療法・精神医学・カウンセリングの映像教材
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監修 / 京都大学教育学部教授 山中康裕
監修者のことば
先に「箱庭療法」のビデオ4巻を制作して、心理臨床の分野に新機軸を打ちたてたが、この度、この分野で大変有用で、かつ大切な「絵画療法」を取り上げこれを斬新な方法で紹介する。すなわち、絵画療法過程において、こころの中で生じているイメージの変遷そのものをとりあげ、『魂の風景』として世に問う第1巻がその中心となり、ついで、絵画療法の基礎理論とその応用について懇切に触れる第2巻『絵画療法の理論』、そして実際の症例研究を呈示する第3巻『絵画療法の症例研究』の全3巻シリーズがそれである。
これらの3巻のビデオを総合的に使用することにより、絵画療法の実践のみならず、夢分析や芸術療法一般を含む、いわば内的イメージを利用した心理療法のわかりやすい導入と理解に役立つであろう。しかも、われわれは、単にこうした分野の教材を提供するということにあきたらず、このビデオそのものを美的・芸術的に制作することにも心がけたつもりである。そのことによって、すべての視聴者一人一人の「魂」の琴線に触れ、各人の内的な「意味」の領域と対話したい、とも考えているからである。
第1巻『魂の風景』は具体的には、第3巻において示す心身症(この場面にはじん麻疹)と離人症状を訴えたある女性の絵画療法過程において認められたイメージの変遷を、映画の手法を用いて追究したものである。これは、勿論、極めて個人的なイメージの流れであるが、徹底的に内界と付き合った結果、かえって普遍的なものにつきあたるのである。各人がそれぞれ異なった反応をしめされてもよいと思う。
絵画療法 [1] 『魂の風景』 ― 絵画療法におけるイメージの流れ―
カラーDVD 20分(解説書付) ¥36,000(税込み)
《内容》
心身症(じん麻疹)と離人症の合併した症例の絵画療法過程。
クライエントは25歳の女性。およそ2年間の絵画療法でみごとに「日常への帰還」を果たした事例。40枚におよぶ絵画は鮮烈な色彩と、きわめてドラマチックな展開をみせている。映画では静止画を単にリテイクする方法をあえて避けて、心理療法での治療構造である時間・空間の枠をしっかりふまえたうえで「ファンタジックな世界に思いきり遊ぶ」という美的な組立を企画した。自己を喪失しかけていたクライエントが内的な障害を乗りこえて、みずからをとりもどすにいたる「こころの軌跡」をいわば『魂の風景』と見立てて大胆な切り口で迫ったものである。
絵画療法の理論 [2]
カラーDVD 25分 ¥26,000(税込)
絵画療法の理論から臨床への応用までを、豊富な描画例を使って、臨床に役立つように解説する。
《主な内容》
1.絵画療法の歴史・理論・目的・適応
2.課題画法による導入諸技法
(a)色彩 (b)バウム(樹木画法) (c)人物画 (d)H・T・P(家と木と人)
(e)風景構成法 (f)動的家族画 (g)なぐり描き法 (h)生活空間見取図法
3.自由画による絵画療法症例の呈示・解説(主に精神病圏のもの)
絵画療法の症例研究[3] ― 心身症と離人症を呈した女性例 ―
カラーDVD 33分 ¥26,000(税込)
イメージの流れは、幾つかの驚くべき展開を見せたり、停滞したり、時には後退したりしながら変容するが、これはクライエントとセラピスト(治療者)の間に起こる神秘的な融即の働きであって、クライエント・セラピスト関係の関数であると言える。
第1巻「魂の風景」ではあえてふれなかった技法論的解説や、実際の治療場面で生起してくる諸々問題点や諸象徴のもつ治療的意味などを、順序よく描画を中心に解説する。
《主な内容》
1) 母性の切断と女性性の未成熟
2) 自己同一性の混乱
3) 父の問題の引き継ぎ
4) 夢と絵画によるイメージの流れ
5) 影の活性化と現実の相対的希薄化(孤独)
6) 守りの枠と、内部での象徴的・神秘的変容
7) 転移による初めての「愛」の体験
8) 対立物の融合
9) 猫の侵入(症状の消失)
10) 苦悩と死と再生イメージ
11) 鏡のイメージ
12) 創造的新生
13) 独立・個性化
14) 日常への帰還
「風景構成法」への誘い[4] ― たましいの原風景 ―
カラーDVD 22分 ¥32,000(税込)

《主な内容》
1) 「風景構成法」への誘い(山中先生の解説)
2) カウンセリングの実際:
a.少年期の男子 b.幼年期の女子 c.青年期の男子
3) 完成した3人の描画の解説
4) 10のアイテムの象徴と意味
5) 「風景構成法」で描かれた『作例』の紹介と解説
6) 「風景構成法」の今後の展開(山中先生の解説)
「風景構成法」とは、1969年 中井久夫先生の創案になる極めて優れた心理療法の技法であり、かつ、精神診断・心理テストの技法であもある。
本法が着想されたのは、ユング派の心理療法として、河合隼雄先生が箱庭療法をスイスから導入された際に、統合失調症の患者さんが「枠があるのにさらに柵を置く」という経験を語られたとき、3次元を2次元空間におろした際、用紙の端に「枠どりをする」という守りの枠の抽象化と、「川・山・田・道・家・木・人・花・動物・石」という10のアイテムを順にのべて「風景を構成する」という形で実現したのであった。この方法は、当初、統合失調症の患者さんのような「守りの薄い人たち」に箱庭を導入するにあたっての予備テストとしてはじめたが、そのうち、独自の意味と力が見出され、今日では広く心理療法の一環の中で用いられるようになってきているのである。
さて、本ビデオでは、1984年および1996年に「風景構成法」及び「風景構成法 -その後の発展-」として本法の論文集を編んだ筆者が更により広く、真の理解の深まりを求めて、かつ、人間の心の内景と自然の風景との深い関わりの中に、人間の原風景のイメージを求めて、映像化することにより、本法の真の普及を願って制作したものである。
この技法は至って簡単であるがゆえに、心理療法ないし心理テストの一環として安易に用いられることのないことを心することである。どの方法においても言えることであるが、安直な理解や安易な施行は却ってクライエントの患者さんの心に傷をつけてしまうことにもなる。心のケアやセラピーに関わる人びとは、原法の深い理解と慎重な施行に心がけ、その意味でも日本の原風景を徹底的に追求し、本法の本質に迫ろうとした本企画によって、敬虔な心構えを培っていだだけるものと確信している。



